紛争の内容
免責調査型の事案で破産管財人を担当しました。
調査すべき主な点としては、パチンコや競馬などのギャンブルが借入の使途の一部であったことと、破産者の方は99万円を超える現金を保有していることでした。
交渉・調停・訴訟等の経過
管財人面談において、ギャンブルをしてしまった理由、ギャンブルをした期間や頻度、使った金額等について詳しく聴き取りをしました。
また、99万円を超える現金については、どのようにしてその金額になったかや実際の正確な金額等について、詳しく聴き取りをしました。
その結果、ギャンブルについては、破産者本人は反省し、二度としないと誓っていることや現金についてはおよそ50万円ほどを保有していることがわかりました。
管財人の意見として、ギャンブルについては破産者本人は反省し、管財人の調査に真摯に協力していることから、裁量免責とすることが相当であるとの意見を裁判所に提出しました。
また、50万円の現金については、自由財産の範囲を超えますので、財団に組み入れしてもらいました。
本事例の結末
裁判所も管財人の意見を考慮し、裁量免責とする決定を出しました。
本事例に学ぶこと
破産において、ギャンブルをした事実は免責不許可事由にあたり、免責が許されない可能性があります。
もっとも、ギャンブルをした事実があったとしても、ギャンブルの回数や頻度、金額や本人の反省によっては裁量免責とすることが相当であると判断できる場合があります。
また、自由財産の範囲を超える財産がある場合、超える財産は財団に組み入れする必要がありますので、破産を申し立てる場合には、破産者本人が保有している財産をできる限り正確に把握しておくことが重要です。
弁護士 権田 健一郎