紛争の内容
破産者は事業に失敗して借入金の返済をすることができず、破産手続開始申立を行いました。

交渉・調停・訴訟等の経過
破産者が依頼した申立代理人弁護士の申立て書類にはあまりにも多くの不備があり、破産管財人である私がまずは整理していくことが必要となりました。

まずは債権者が漏れていたり、公租公課の滞納(給与差押えがなされていたり、これからなされるおそれがあるもの)を整理していきました。そして、破産管財人から破産者に対し、免責許可を得ても支払を免れることができない公租公課について説明を行い、計画を立てて返済をすることを指導しました。

次に、家計の状況報告があまりにも杜撰であり、浪費の傾向が見られたため、経済的更生のために改めなければならないことを指導していきました。

本事例の結末
最終的に、破産手続の廃止決定・免責許可決定を裁判所から得ることができました。

本事例に学ぶこと
破産法は、破産者の経済的更生を図ることを大きな目的としています。そのため、ただ借金をなかったことにする機械的な適当な申立て・破産手続を認めるわけにも行きません。

本件は、申立代理人ができていなかったことを、破産管財人が整理して指導し、破産者の今後の新たな経済的更生に繋がる手続にすることができたことと期待しています。

弁護士 平栗 丈嗣