ご依頼の内容

依頼者の方は、約10年前からライブにはまるようになりました。
ライブに行く度に、チケット代や交通費、グッズ代などがかかりました。
そして、頻繁にライブに行くようになったため、借り入れをしてまで、趣味にお金を使うようになりました。
また、知人との飲食や遊びに行く際に、依頼者の方が見栄を張って、お金を全部出すことも多くありました。
これらのようなお金の使い方を数年間続けた結果、返せないほどの負債ができてしまいました。

今回、一身上の出来事を機に、債務をきちんと整理しようということで、当事務所にご依頼されました。

本事例の結末

本件では、収入の状況や負債額から、自己破産の手続きを選択しました。
もっとも、上記のような度を越えた趣味への支出や、若干とはいえギャンブルもやっていたことから、免責不許可事由が存在しうる事例でした。

しかしながら、依頼者の方は、上記のようなお金の使い方を反省していたことや、ここ数年は堅実に生活していたこと、収入を鑑みると管財費用を用意することが難しい状況であったことから、同時廃止手続きを目指しました。

申立ての際には、趣味への支出等はすべてが無駄遣いとは言えないことや、本人は反省し、上記のようなお金の使い方は今後しないと誓約していること、当事務所への依頼後から作成してきた家計簿にも無駄遣いといえるような支出はないこと、したがって、同じ過ちを繰り返して負債を作る可能性は乏しいことなどを説明した上申書を作成し、裁判所に提出しました。
結果、本件は同時廃止事件として手続きが進められ、免責も許可されました。

本事例に学ぶこと

依頼者の方は、免責不許可に該当しうる事情がありましたが、手続きに関する上申書を提出し、結果、無事に同時廃止事件となりました。
もちろん、全てのケースで同じように同時廃止手続きになるわけではありませんが、本事例のように家計簿をきちんと付け、生活状況の改善が見られれば、同時廃止手続きとなる可能性もあることを示す事例だと思います。

弁護士 赤木 誠治