事案の概要

過去に音楽関係で生計を立てようとしたがうまくいかず一度目の破産手続を経験し、そこから安定的な収入を得るようになったものの勤務先の倒産等により借入れを再開するようになり、度重なるギャンブル・浪費により負債が膨らんだという事案について破産管財人に選任されました。

主な管財業務の内容

破産者にめぼしい財産はなく、2度目の破産手続かつ浪費的な側面があるということで免責調査が主たる管財業務となりました。
負債の主たる原因はギャンブルへの支出であり、最終的にはクレジットカードの現金化まで行っているようでしたので、それらが免責不許可事由に該当するか否か、また、現在はギャンブル等から離れて生活ができているかの調査を行いました。

本事例の結末

ギャンブルによる負債増大及びクレジットカードの現金化はいずれも免責不許可事由に該当すると判断しましたが、1度目の破産手続から20年程度が経過していること、現在はギャンブル等の浪費原因から離れて生活ができていること等の事情から裁量免責が相当であるとの意見を裁判所に提出しました。
当該意見を踏まえ、裁判所は免責許可決定を下しました。

本事例に学ぶこと

2度目の破産手続については、初回の破産手続において再生の機会をもらったにもかかわらず、再度、債務超過に陥ったということで裁判所の見方が厳しくなります。
2度目の破産手続が必要な状況に陥らないに越したことはないのですが、仮に2度目の破産手続申立てを行う場合には、負債の理由や現在の生活状況等について通常以上に細かく検討されることになりますので、注意が必要です。

弁護士 吉田 竜二