自己破産の手続にかかる期間はどれくらい?手続きの流れについて専門家が解説

借金の返済に苦しみ支払不能となった場合、裁判上の救済手続きとして「自己破産」手続を踏むことによって借金の返済を免れることができます。

もっとも、「自己破産手続はどれくらいの期間を要するか?」と疑問を持たれている方が多いかと思われます。

本ページは、上記のようなお悩みを持たれてる方向けに、自己破産手続に要する期間等について専門家が解説するページになります。

自己破産にかかる期間はどれくらい?

自己破産にかかる期間はどれくらい?

破産申立てから裁判所による免責許可決定(=返済義務がなくなる)が出るまでの期間は、破産手続の種類によって異なります。

同時廃止事件:4か月~6カ月

管財事件:9か月~1年

同時廃止事件とは、破産管財人が選任されず、破産手続開始決定と同時に破産手続が廃止される破産事件のことをいいます。

自己破産では、原則、破産者の財産を処分して換価し、債権者に配当する必要があります。しかしながら、破産者が一定の評価額を超える財産を有していない場合には、債権者への配当という目的を果たすことができないため、破産手続きが廃止されて終了します。

その他にも、免責不許可事由(破産法上、問題行為に該当する行為があること)がないなどの事情がある場合、同時廃止事件になることがあります。

管財事件とは、破産管財人が選任され、破産者の財産の換価処分や債権者への配当、免責に関する調査などが行われる破産事件のことをいいます。
管財事件になった場合、期間が長引くなるだけではなく、高額の費用を裁判所に予納しなければなりません。

「少額管財事件」では基本的に20万円、「通常管財事件」では事案によって異なりますが最低50万円の費用を要します。

以下では、同時廃止事件・管財事件それぞれについて、具体的にどのようなステップを踏むの解説いたします。

もっとも、ケースバイケースでありますので、下記期間よりも長い場合・短い場合もあります。

同時廃止事件

同時廃止事件

破産申立て

即日面談(裁判所によっては、実施されないこともあります)
(約2週間~1か月)
破産手続開始決定+廃止決定
(約2か月)
免責についての意見申述期間
(免責(返済義務がなくなること)について異議がある債権者は、意見を裁判所に申告することができます。)
(約3か月)
免責許可決定
(約1か月)
免責許可決定の確定

管財事件

管財事件

破産申立て
(約2週間~1か月)
破産手続開始決定+管財人選任

管財人面談
↓(約3か月~半年)
債権者集会+廃止決定+免責審尋
(約1週間)
免責許可決定
(約1か月)
免責許可決定の確定

「債権者集会」とは、債権者が集まった場で、破産管財人が、破産者が破産に至った経緯や破産者の財産状況、今後の進行や免責についての意見などを報告する手続きのことをいいます。

弁護士に依頼してから申立てまでの期間はどれくらい?

弁護士に依頼してから申立てまでの期間はどれくらい?

法律事務所にもよりますが、弁護士に依頼したあとに破産申立てが完了されるまでの流れについて説明いたします。

弁護士との委任契約締結 

各債権者への受任通知の発送+債権調査(調査結果が届くまで、約1か月かかります)

必要書類の準備+面談(1か月~2か月に1回実施)

申立て

受任通知を送ることにより、債権者からの取り立てが止まります。もっとも、申立までの期間が長くなった場合、債権者が訴訟を起こす場合もございます。

したがって、申立てに向けて、できるだけ早く「弁護士費用を支払う」・「必要書類を揃える」といった行動をとることなどが求められます。

申立てのタイミングを早める方法は、「弁護士費用をできるだけ早く支払う」・「必要書類を早く準備する」・「虚偽報告をしない、隠し事をしない」・「弁護士との連絡を密にするよう心がける」などが考えられます。

まとめ

まとめ

自己破産手続は手続きの種類にもよりますが、申立から免責許可決定の確定がなされるまで最短でも4か月かかります。また、場合によっては1年かかることもあります。

自己破産は、裁判所に申立てをしてすぐに解決するものではありませんので、少しでも早めるためにも弁護士に相談し依頼することをお勧めいたします。

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■この記事を書いた弁護士
弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 安田 伸一朗
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