紛争の内容
依頼者は離婚をきっかけとして他の都道府県を転々としながら個人事業を営み、ヤミ金から借り入れをしたり知人等から借り入れをして生活をしてきましたが、もはや生活が完全に破綻し、弁護士に相談するに至りました。
交渉・調停・訴訟等の経過
あまりにも複雑な経緯を辿って現状の支払い不能に至っており、他の都道府県にまたがって様々な問題を起こしており、さらには広範囲に個人債権者が散らばっている上に連絡先も分からない、という非常に難解な事案でした。
依頼者から詳細に聞き取りをし、断片的に存在する資料を基にして方々に問い合わせをし、どうにか現在に至るまでのストーリーを整理することができました。その結果、申立てにあたって附属疎明資料を含めて、通常の民事訴訟と同レベルの書面の分量となりながら、どうにか整理して破産手続き開始決定と免責許可決定の申立てを行いました。
本事例の結末
非常に苦労して調査に基づく丁寧な申立書を作成して申立てをしたことが奏功して、破産管財手続においてはスムーズに進行していきました。
最終的には個人債権者が債権者集会に来ていわゆる荒れる債権者集会が起きるようなこともなく、粛々と淡々と手続が終わり、免責許可決定を受けることができました。
本事例に学ぶこと
複雑な事案であっても、丁寧に聞き取りを行い、資料を精査して調査し、それを基に聞き取りを行い、詳細な報告書を作成していくという地道な業務により、免責許可決定を得るまでたどり着くことができました。大変な苦労を伴いましたが、無事成果を出すことができて本当に良かったと考える事案となりました。
弁護士 平栗 丈嗣