事案の内容
会社員として働いていた女性Aさんは、夫との間に二人の子がいます。平成14年に当時趣味のテニスや、旅行の費用捻出のために借金をし過ぎてしまったせいで破産をしていました。その後15年ほどが経過してから、またカードを作れるようになり、自分のためにブランドバッグなどを買うようになりました。また子が中学・高校にそれぞれ進学したために教育費が一度にかかってしまい、さらに夫がうつ病になってしまったために一気にAさんが生活費を捻出しなければならなくなってしまったことから、カード利用分などの返済ができなくなってしまいました。結局Aさんの借入は500万円以上になってしまっていたので、やむなく2度目とはなりますが、破産をすることになりました。

事案の経過(交渉・調停・訴訟など)
Aさんは2度目の破産、しかもブランド品の購入など浪費もあったため、管財人が選任されることになりました。

本事例の結末
Aさんは破産に至る経緯にも問題があり、会社員として長年勤めていたために退職金も相当額になったので、管財人からの免責不許可事由や配当の可否などをチェックされました。しかし、免責不許可事由として問題となった浪費についても、Aさんに費消行為当時には十分な収入もあり、夫のうつ病という契機で返済ができなくなったに過ぎないこと、財産としても配当できるほどの退職金はなかったことから、異時廃止となり、免責許可決定も出してもらうことができました。

本事例に学ぶこと
2度目の破産は、1度目の破産よりも厳しくチェックされることが予想されますが、それだけで破産できなくなるというわけではありません。再度返済ができなくなった経緯を丁寧に見直すことで、2度目の免責許可決定が得られるケースもあると感じました。

弁護士 相川 一ゑ
弁護士 木村 綾菜