頑張って会社を経営していても、会社を畳む判断をせざるを得ないこともあると思います。経営者にとって、会社をたたむことは非常に辛い決断です。

このとき会社が多額の債務を抱えている場合、破産という選択肢もありますが、実は、会社が破産するためには費用が発生します(破産をするのにお金が必要というのもなんだか矛盾しているように感じてしまいますが……)。

ところで「破産」という言葉の響きには、ネガティブなイメージがつきまとい、「失敗」や「悪いこと」だと捉えられがちです。

しかし法人破産は、むしろ、事業に行き詰まった会社がこれ以上傷を広げることなく、法的手続きのもとで会社を終結させる丁寧な責任の取り方といえます。経営が行き詰まった状態で無理に事業を継続すれば、従業員への給与支払いや取引先への支払いが滞ったりするなど、かえって多くの人に迷惑をかけてしまう可能性があります。

会社が債務超過に陥った時でも、会社に最後の資金があれば、弁護士費用や裁判所の手続費用も払えますし、破産管財人への「管財引継予納金」も準備することが出来ます。実は、最後の資金を残して法人破産を選択するということは、責任ある行動と言えます。 法人破産は、会社の経営状況をうやむやにせずに幕を閉じるための法的な仕組みですので、決して悪く語られることではありません。ネガティブなイメージに囚われず、未来を見据えた前向きな選択肢として捉えることが大切です。